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ポタリング

Author:ポタリング
少し古い70年代頃のロック中心のブログです。
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ミヒャエル・ローター 『クロニクル 1』

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ミヒャエル・ローター『クロニクル 1』 1998年編集盤。

ローターは、80年代のニューウェーブに絶大な影響を与えたジャーマンロックバンド「ノイ!」のギター、キーボーディスト。それ以前には初期のクラフトワークのサブメンバーだったこともあるそう。
70年代からソロアルバムは何枚も出てますが、そこいらのCDショップではなかなかお目にかかれない。ネットではけっこうな高値が付いているものも(YouTubeにはいろいろとアップされてます)。

このアルバムは77年~87年までのベスト盤で(ローターのベストなんて代物が存在することも信じ難いのですが)、主だった曲は収録されてるみたいです。
全12曲70分のオールインスト。基本はシンプルな反復ビートにアンビエントを導入したエレクトロミュージック。クラフトワークもそうですが、機械的でありながら実はすごく人間くさいところが魅力です。

一度聴いたら脳裏に刷り込まれてゆくような、聴き流せるようで流せない、眠くなりそうでならない、此処ではない何処かに連れて行ってくれるような浮遊感のある曲が並んでます。夜空を眺める旅人たちみたいな曲が多いけど、くり返し聴くとどの曲にもストレンジな感覚が宿っています。

ハンマービートの本家「ノイ!」に比べ、ずっと軽く楽に聴ける。
初期の作品群はヤキ・リーベツァイト、コニー・プランクが参加。
いつ聴いても古くなく新しくもない、秋の夜長に似合う不思議盤です。

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ミヒャエル・ローターさん、猫好きらしい。

あがた森魚 『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』

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あがた森魚 『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』 
2001年リリース(写真は2018年6月、再発盤)

大好きな先生。
誰しも忘れがたい思い出の先生が一人や二人いると思います。出来ることなら忘れてしまいたい先生もいらっしゃることと思いますが。

このタイトルにある「佐藤敬子先生」は、あがたさんが大好きだった小学校低学年時代の担任の先生だそうです。
アルバム冒頭で、佐藤先生とあがた少年の思わず笑ってしまうおかしなエピソードを歌う。それに続く曲もそれに導かれて物語のように綴られてゆく。

あがたさんは70年代頃までは佐藤先生に何度か再会していたそうで、でもその後ずっとお会いする機会がもてず、また会いたいという想いと並行して、佐藤先生は2000年の秋にお亡くなりになったことを知ったそう。
このアルバムのタイトル曲「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」はそのことをまだ知らずに作ったという。

アルバムは唯一無二の「あがたワールド」全開ですが、なんと6分におよぶ松田聖子さんの「風立ちぬ」のカバーが入ってます。聖子ちゃんのカバーというよりも、大瀧ナイアガラさんのカバーとして聴いた方がしっくりくるかもしれません(もちろん大瀧さんはこれを聴いてる筈ですが)。
あがたさんの真正直でパワフルな歌いっぷり。松本さん大瀧さんはいい曲書くなあとあらためて思う、おセンチでありながらも素晴らしくポジティブな「風立ちぬ」です。

参加ミュージシャンは久保田麻琴、鈴木惣一郎、HARCOほか、ハリー細野も一曲参加。さわやかな余韻が残る好盤です。

ドゥルッティ・コラム 『LC』

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ドゥルッティ・コラム 『LC』 1981年リリース

水彩画のようなドゥルッティ・コラムのセカンド。
1曲目のタイトルからして「夜明けのスケッチ」。
傑作ということではファースト『The Return of The Durutti Column』に分があると思いますが、この『LC』も負けず劣らずで2枚合わせて聴くのもいい。
基本ギターインストアルバムですが何曲かで地味に歌ってる。
タイトルの『LC』には政治的な意味合いがあるそう、でも前作に比べて明るく開放的で聴きやすい。

スピーカーから音が流れるというよりは、こぼれ落ちてくる感じ。解説ではこのサウンドを「生き物ぽい」と表現してる。
風にゆらゆら揺らぐ木の葉みたいに、今にも散りそうな繊細極まる曲のオンパレードでありながら、やってることは紛れもないパンク。しかもラジカルでありながら質素。加えてとても郷愁的。古い記憶の懐かしい風景をぼんやりと思い出すような独特の世界。

ミンミンゼミというよりはヒグラシ、赤トンボというよりは蜉蝣ぽい。
なにを書いているのかわからなくなってきましたが、少し寂しさの残る夏の終わりに似合う名作です。

タジ・マハール 『タジ』

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タジ・マハール 『タジ』 1986年リリース

たまに使わなくなった物をネットに出品しています。今やってる人、多いですね。
きっかけは、とある買取店にいくつか物品を持参したところ、何点か査定額が付かず厳しくもリターンの持ち帰りとなってしまいました。
で、ものは試しと思ってそれらをネットに出品してみたところ、アッという間に「SOLD」に。調子に乗って今度は壊れた時計を「ジャンク」として出品、これまた売れました。
その後さらにアレコレ出品。7割ほど売れて、昨日まで部屋の片隅にあった物たちが北へ南へ素早く運ばれることが不思議に思えます。
そうかと思うと「これは売れる」と思う自慢の一品がちっとも売れなかったりもしますけど。値段盛り過ぎってやつです、きっと。

さて、余談はさておきタジおじさんの登場です…。
このCDは最近、近所のリサイクル店に深く埋もれていたものを発掘しました。リリース当時にレコードを買ってずいぶん愛聴したアルバムです。
CDも欲しいなと地味に思っていたのですが、コレがめったなことではお目にかかれない代物でした。それがなんと買い手がつかない140円だったのです。こんな売値じゃリサイクル店もやってられないなあ、なんて思いながらも喜んで買いました。

タジは1942年ニューヨークの生まれ。その昔は「黒いライ・クーダー」なんて言われてました。実際、60年代に一緒にバンドを組んでいたこともあるそうです。
アルバム『Taj』はブルース、レゲエ、ラテン、カリプソ、アフロなどなどを程よくミックスしたボーダーレスな音楽で、こんなに明るく自然体で人懐っこい音楽は最近はホントに少なくなったなあと思うほど、ハッピーでゴキゲンな楽曲がてんこ盛り。名スティールドラム奏者、ロバート・グリニッジが参加してます。
とても夏っぽく、「夏はまだこれから」なんて歌ってるようにも聴こえてきます。印象的なジャケット撮影はロバート・メイプルソープ。

フランソワ・ド・ルーベ 『アンソロジーVol.1』

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フランソワ・ド・ルーベ 『アンソロジーVol.1』
1999年リリースの編集盤(廃盤)

1975年カナリア諸島のアロナ、趣味のダイビング中に不慮の事故で亡くなったド・ルーベ。36年という短い生涯でした。
ロベール・アンリコの映画音楽をたくさん書いたフランスの音楽家。その音楽キャリアは15年ほどだったそう。
青春映画『冒険者たち』のあの忘れることのないメロディーの作者ということでもよく知られている。

ド・ルーベの編集盤は何種類か出ているけど、もともとの生産枚数が少ないようで、このCDも「3000枚限定」と書いてある。後に再発盤が出たりもするみたいですが、基本的にほとんど売ってないですね。なのでたまに中古盤を見つけると「あるじゃん、買おうかな」といつも思います。これはそんな感じで手にした1枚、この盤はメチャ安でした。

『アンソロジーVol.1』は35曲入りの74分。2分前後のイージーリスニング調の曲がぞろぞろ入ってます。
ジャケットだけ見ると「クストーの海底世界」っぽい雰囲気だけど、中身はバラエティに富み、映画音楽だけでなく(内容はわからないけど)数々のTV番組にも相当数関わっていたことがわかります。電子音を用いた子供向けのTVアニメ主題曲「Chapi-Chapo」など、かなりお茶目。
サントラからは『冒険者たち』はもちろん、『若草の萌えるころ』や『ラ・スクムーン』なども入ってます。特にボーナストラックとして収録された、女性がスキャットで歌うアンニュイな『ラ・スクムーン』はここでしか聴けないめずらしいものと思います。
暑くて暑くて何聴いてもアツイ、なんて時もこれならけっこう聴けちゃいます。

余談ですが、お墓はカナリア諸島にあるそうなんですが、その墓石に刻んだ名前の綴りが間違っているらしく、そのことを知らないと見つけにくいそうです。違っていてもそれは重要なことじゃない。フランソワさんはそんな人だったのかもしれません。

デヴィッド・ボウイ 『WELCOME TO THE BLACKOUT』

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2018年7月、国内盤リリース(2枚組)

1978年6月~7月に行われたロンドン公演のライブ盤が出た。
まだYouTubeで聴いている限りですが、何か久しぶりに猛暑を忘れてゾクゾクしてしまった。音質も素晴らしく良い。
この頃がボウイの黄金時代という人は多く、最強といわれたバックバンドも絶好調のヤル気満々の炸裂状態。エイドリアン・ブリューはまだ20代だったか。

当時のライブ音源としては40年前に『ステージ』が出ている。
内容は『ステージ』とほぼ同じでも、ライブはやはり生モノで演奏はそれぞれに異なって、その違いが新鮮で聴き比べも楽しい。
この半年後にはこのメンバーを引き連れて来日。当時の公演を観たオールドファンにはあの日が蘇るような格別のアルバム。ボウイ没後にリリースされたものとしては、おそらく最高のものと思います。

亡きデニス・デイヴィスのドラムが、こういう形ででもまた聴けることが嬉しい。

ネヴィル・ブラザーズ 『イエロー・ムーン』

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ネヴィル・ブラザーズ『イエロー・ムーン』 1989年リリース

ネヴィル・ブラザーズのサックス奏者、チャールズがこの4月に亡くなったことを雑誌で知りました。
ニューオーリンズの深みにはなかなか踏み込めませんが、それでもネヴィルズの来日公演は三度ほど行きました。ピーター・バラカンさんが「ネヴィルズはぜひライブを体感してほしい。」と大プッシュしていた頃です。

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はじめて観たネヴィルズはアルバム『イエロー・ムーン』が出たころ。オールスタンディングのライブハウス。
薄暗い後方のドアからカウベルを鳴らしながら人波をかき分けて登場してきたのを見て、「こりゃすごい」と最初からノックアウトでした。この日の怒涛の演奏は凄まじく、ディープなファン層も狂喜乱舞だったようです。
また何時だったか日比谷野音で「ニューオーリンズ・フェスティバル」みたいな日替わりの音楽祭がありました。
この日はアートから「今日はアーロンが風邪でダウン、ごめん」というアナウンスがあって、観客は一瞬ガッカリしたのですが、そのあと続けて「代わりにドクター・ジョンを連れてきたよ」となって、これがニューオーリンズスタイルかと、これはこれで満場一致で大いに盛り上がりました。

アルバム『イエロー・ムーン』はスタジオ作では最高傑作と言われ、ロックファンにもよく知られる名盤。
力強いメッセージを含む濃い内容で、クールで熱い奥行きのあるサウンドも聴きごたえ充分。サム・クックの代表作「A Change Is Gonna Come」の揺らめくカバーも最高。プロデュースは当時売れっ子のダニエル・ラノワ、ゲストミュージシャンにはイーノの名も。アートはイーノが創作する音響に感心して、ラノワにそっと「あんなヤツどこで見つけてきたんだ」と言ったとか。
そんなわけで、妙に黄色いお月さんを見ると「今夜はイエロームーン」と独り言のように毎度思うようになりました。

バッファロー・ドーター 『シャイキック』

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バッファロー・ドーター『シャイキック』 2003年リリース

W杯が盛り上がる今日この頃。これからますます面白そうですね。
日本は残念でしたが、どの試合もとても面白かった。
海外チームでは小柳ルミ子さんと同じくアルゼンチンが好きなのですが、これまた残念でした。なので俄にクロアチアに一票入れたい気分となっております。クロアチアのモドリッチがどことなく映画「ディアハンター」っぽい風防で、いや、それほど似てないのですが連想してしまうのでしょうがないのです。

そんなわけで、「サッカー観戦を盛り上げる10曲」というのを自己満足的に選んでいたのですが、途中で頓挫しました。もう日本選手団も帰ってきましたし。
で、急きょ突然にバッファロー・ドーターの登場です。PK戦を思わせるジャケットがそれっぽくていいんじゃないかとフト思っただけで、深い意味などどこにもありません。
このアルバム冒頭の10分を超える大作「Cyclic」をはじめて(爆音で)聴いたときはあまりのカッコよさに驚きました。クラウトロック風で、アニメの「AKIRA」で流れてきそうな深夜のエレクトリカルパレードみたいな曲です。
ところで東京オリンピックの開催が決まった頃、東京の開会式は「Cyclic」のような雰囲気で力強くクールにはじまるんじゃないかと勝手に想像していたのですが、その後に続々と出てきたすったもんだのおかげで、そんな浮かれたお祭り気分はあっという間にどこかに吹っ飛んでしまいました。

まあそれはさておきまして、今宵もサッカー見てます。あと少しでこの「楽しい夜更かし」が終わるのはちょっと寂しいですね。
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