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ジュリー・クルーズ 「フローティング・イントゥー・ザ・ナイト」

003 (2)
 「FLOATING INTO THE NIGHT」 1989年リリース。
詞:デヴィッド・リンチ
曲:アンジェロ・バダラメンティ
歌:ジュリー・クルーズ

 『この星をひとりぼっちで浮遊する夜に』

国内盤のCDにそんなキャッチコピーが書いてあります。
空虚なジャケットと原題そのままのコピーですが、このアルバムの雰囲気をうまく表してると思います。
夜中の1時をまわった頃に聴くと真価を発揮するサウンド。
重低音が響くオーディオで聴くのがオススメです。

全10曲とも作詞はデヴィッド・リンチ、そしてジュリー・クルーズのウィスパーボイス。
どの曲も「リンチワールド」と言ってしまえばそれまでですが、映画ほどアレコレ考えなくていいし、暴力的な描写もここにはありません。
60年代のガールズポップをベースにしたようなドリーミーな曲も入ってます(サントラ盤の『ツイン・ピークス』から3曲と、『ブルー・ベルベット』から1曲がこのアルバムにも収録されています)。

アンジェロ・バダラメンティが構築する深みのある音響は「眠気を誘うムード音楽」という人もいるだろうし、「眠れないほど美しい」という人もいると思います。ただリンチの映画と同じで、かなり中毒性の高い音楽です。
真夜中に一人で遠くまで行ってしまわないようご注意を。
甘美な中にも危うさを秘めてます。

そんな中から『I Remember』という曲の訳詞を。
リンチの詞はとてもシンプルで、どこか懐かしく郷愁的。
今読むと2001年に公開された『マルホランド・ドライブ』の片鱗をうかがわせるようなニュアンスが散らばっているように思います。

  『I Remember』 詞:デヴィッド・リンチ(訳:沼崎敦子) 

 あなたの歌を思い出す
 わたしに歌ってくれたその歌い方を思い出す
 いろんなふうに何度も何度も
 彼方の国にいて

 あなたの微笑みを思い出す
 わたしに向かって微笑むその笑い方を思い出す
 違う雰囲気で何度も何度も
 それはわたしの心の中に生きている

 これは夢かしら 現実かしら

 風がこんなにも楽しげで
 こんなにも暖かく感じられたことはなかった
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