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Author:ポタリング
少し古い70年代頃のロック中心のブログです。
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ブライアン・イーノ&ジョン・ケイル『ロング・ウェイ・アップ』

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ブライアン・イーノ&ジョン・ケイル『ロング・ウェイ・アップ』1990年

昔馴染みジョン・ケイルとのコラボ。
ジョン・ケイルの方が6歳年上、お二人とも40代のころ。
77年の「Before and After Science」以来、13年ぶりのご無沙汰で久方ぶりに「イーノが歌ってる」と当時話題に。

全10曲、二人で半々ずつ歌う。二人とも声の良さでは定評がある、いい声の持ち主。
ここには環境音楽もアンビエントもない。聴いてて疲れない、眠くもならない。意味深な歌もあるようだけど、全体の印象は控え目だけどすごく明るくポップで和めるアルバム。あちこちに80年代っぽさが残ってます。

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写真のような穏やかな午後、庭に出て紅茶でも飲みながら作ったような冒頭の「Lay My Love」(後に高橋幸宏が「らしく」カバーしている)。はじめて聴いたときは、この1曲でこのアルバムはなんだかとても良さげだなあ、と思えました。
ほかも粒ぞろいの佳曲が続きます。なかでも「星たちの中で…星たちの中で…」と歌う美しい「Spinning Away」は、この時期のイーノの傑作っていわれてる。
とても春めいた心地いいアルバムです。

イーノ 『テイキング・タイガー・マウンテン』

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イーノ『テイキング・タイガー・マウンテン』 1974年リリース

聴いたのは75年の『アナザー・グリーン・ワールド』が先でした。「イーノはいつ聴いてもいいのー」という駄洒落があった頃です。さすがにイーノのことをエノという人はもういなかったと思います。
で、前作の『テイキング・タイガー・マウンテン』もその頃聴いたんですが、この型にはまらない気ままなセンスがよくわからなくて何度か聴いておしまいでした。

ところが78年に素晴らしくヘンテコなディーボの名作『頽廃的美学論』を世に送り出し、イーノのプロデュース業はスゴイ、となるわけです。
余談ですが、勢いに乗ったディーボは早速来日していきなりの武道館公演。かなりのディーボ信者が見物に出向いて館内は「♪We Are Devo!」の大合唱となりました…、いや、ちょっと大袈裟か。

でもまあそんなところで『テイキング…』を引っ張り出してまた聴きはじめて。そしたらなんということでしょう、イーノのエッセンスがそこらじゅうに散らばってる大変ユニークなアルバムであった、ということがやっと少しはわかるようになった次第です。

この一風変わったアルバムタイトルは(知ったかぶりですが)、中国の古典劇『智取威虎山(ちしゅいこざん)』から頂戴したという。なのでオリエンタルムードがチラホラ。『タイガー・マウンテン』という入山したら最後、二度と帰ってこれないような空想冒険活劇的な響きも実にイーノっぽいですね。
ジャケットデザインも秀逸。アナログ盤だと雰囲気あるんですが、地図に載ってない国の妖しい土産物みたい。並んだイーノの顔で駒を進めるいつまでたってもアガれないボードゲームにもみえる。

中身は不思議な明るさのある奇妙な10曲。
特に狂騒的な「サード・アンクル」が有名でしょうか。フィル・マンザネラの貢献も大きいアルバムですが、初期ロキシーのポップな魅力がまだ残ってるファンタスティックなイーノ。
いつものメンバーに加えてイーノ好みのポーツマス・シンフォニア(楽器が弾けない素人学生で構成したオーケストラ)も参加。
「The True Wheel」の歌詞で「♪We are the 801」って歌ってる。
イーノ、フィルらで結成したアンビエントからヘビメタまで演ってしまうスーパーエキセントリックバンド「801」のイメージはこの頃から出来上がってたんですね。

ラストのタイトルナンバーは次作『アナザー・グリーン・ワールド』の岸辺を望みながら、静かにゆっくりと近づいていく。

ブライアン・イーノ 「Here Come the Warm Jets」

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ブライアン・イーノ 『Here Come the Warm Jets』 1973年

「コンサート会場に人を集めるのではなく、人が居る場所に音楽をもっていく」。環境音楽を創作し始めた頃、イーノはそんな風なことを言っていたと思う。
78年の『ミュージック・フォー・エアポート』は実際にニューヨークの空港でBGMとして使われた。
90年代にはマイクロソフト社「ウィンドウズ95」の起動音を作った。
イーノを知らない人も、生活の中でイーノの音を耳にするという面白い現象が起きた。

そんなイーノのファースト『Here Come the Warm Jets』。
環境音楽をやる前のケバケバしい25歳のイーノ。
ロキシー・ミュージック、キング・クリムゾンから気心知れた友人たちが総参加。クリス・スペディングもいますね。
全10曲、思いついたアイデアを未完成のまま演奏したような風変りな曲のオンパレード。

中盤に「On Some Faraway Beach」という「思えば遠く来たもんだ、此の先まだまだ何時までか…」みたいな曲が出てきます。
アナログ盤では「B面1曲目」に置かれた曲で、「ここらでいっぷく」みたいにも聴こえるし、ブライアン・ウィルソンがリハビリ中に作ったデモのようにも聴こえる。記憶に残る曲。

以前、無人島にレコードを1枚持っていくとしたらどれにする?、という「無人島レコード」という本がありましたが、その中で、あがた森魚さんがこのアルバムを挙げていたのがとても象徴的でした。

「無人島を見つけた、明日渡ってみよう。」
…好奇心旺盛なイーノの面白さはあんがいその辺に潜んでいるのかも知れませんね。

ブライアン・イーノ 「ビフォア・アンド・アフター・サイエンス」

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「ビフォア・アンド・アフター・サイエンス」 1977年。

持っていて損の無いイーノの名作。タイトルもいい。全10曲。
前半はイーノ流ロックンロール。どれも奇妙で変わっていてめちゃくちゃかっこいい。
後半(アナログB面)は一転して藍色の海をゆったり滑るように進んでゆく。穏やかな航海のように。

70年代半ば、イーノと友人が「オブリーク・ストラテジーズ(斜めの戦略)」という名の一組100枚程もあるカードゲームを作った。
各カードには何かしらのヒントになりそうな言葉やインスピレーションが書いてある。
カードを1枚引いてやってみよう、っていう遊び(販売もしていたらしい)。

「退屈なことをしなさい」
「失敗は隠された意図」
「古いアイデアを使ってみよう」
「壁を作るのではなくレンガを作る」
「一番最後と思っていることをまずしてみる」
「静かな夕べを思い出してみよう」・・・・こんなのが100枚。

名言とは違う。わかったようでわからないけど少しわかるような。
アルバムを制作しながらカードを1枚引いてみる…。

8曲目に「By This River」というシンプルで美しい曲がある。
2001年のイタリア映画「息子の部屋」でこの曲が挿入歌として流れる。
愁傷しきった主人公にCDショップの店員が手渡すのがこのアルバムだ。
まさかこの曲がこんな風に使われるなんて、これには驚いた。

しかし、このアルバムは「By This River」だけではなく全曲が聴きもの。
トーキングヘッズの衝撃的プロデュースはこの後だけど、ヘッズへの想いは「Kind's lead hat(Talking headsのアナグラム)」で狂騒的に跳ねまくる。
77年当時はデヴィッドボウイとの共作も並行している頃だ。互いに刺激を与え刺激を受けた時期。ラストの「Spider and I」のスパイダーはボウイのことですね。

リアルタイムで聴いて今も聴いている。航海は終らない。
いつ聴いてもいつも傍にいてほんの一歩だけ先を行く。
ほのかな光を照らす水先案内人。
聴き終わる頃にはこのアルバムがエスノファンクで幕を開けたことを忘れてしまう。

ブライアン・イーノ (アンド・リック・ホランド)

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ブライアン・イーノ(アンド・ザ・ワーズ・オブ・リック・ホランド)
 「ドラムス・ビトウィーン・ザ・ベルズ」 2011年リリース。

ビート・ジェネレーションのことはあまり知らないけど、なんとなくシブそうだからという理由で10代の終わり頃だったかジャック・ケルアックの「ジェフィ・ライダー物語」を読んだ。この手のものに憧れる年頃だ。
これが実に面白くていまだ忘れられない。もう絶版で手元にも無いけど、いつかまた読み直したいと思っている。

で、ビート詩人というとポエトリーリーディングが有名ですよね、たぶん。
そんなわけで、これは若い頃ビートニクに影響を受けたという、イーノ版現代版のポエトリーリーディング。
図書館で借りてきた思わぬ拾い物。

詩人リック・ホランドの詩を朗読。そこにイーノ得意のサウンドスケープが漂う実験作。途中で欠伸が出まくる類のものかと思っていたが、変化があって飽きずに聞いている。
朗読はイーノとホランドを含んで総勢10名。声がいい。
行きつけのカフェの(きっと素敵な)店員とか、たまたまイーノの周りにいた人に頼んで朗読してもらったらしい。

詩の内容については解らないし考えもしない。
遥か上空から地球を眺めてるような美しい曲がある(4曲目)。
このウィスパーボイスはどこの誰で顔も何もわからないけど、この人が「orange」と呟けば、それは果汁がいっぱいの瑞々しいオレンジになる。
勝手な解釈で聞けるところがいい。

イーノ 「アナザー・グリーン・ワールド」

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イーノ 「アナザー・グリーン・ワールド」 1975年リリース。

70年代のイーノのアルバムって、どれもそれぞれ面白いんですが、
いつでも聴けるイーノ、っていうとこれです。
アルバムタイトルからして惹かれました。

まず最初にハマってしまうのは、2曲目(オーバー・ファイア・アイランド)でしょう。2分弱の短い曲ですが、パーシー・ジョーンズのベース、なんと言いますか、かっこよすぎます。

続いて3曲目(セント・エルモの灯)。
イーノって綺麗な曲書くなーって妙に感心。ロバート・フリップのギターがやたら艶めかしいんですね。

全14曲、とても書ききれませんが、唄ものとインストのバランスと配置が絶妙。
アナログからCDに移行した時代に、まっ先に買ったのこれなんです。
ノイズの無い澄んだ音で聴きたくて。
夜、窓を開けて聴くと雰囲気が出ます。

フリップ&イーノ 「イブニング・スター」

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ロバート・フリップ&ブライアン・イーノ 「イブニング・スター」
1975年リリース。
イブニングスター、直訳すると「宵の明星」。

なかでもタイトル曲がお気に入り。
わかり易くて美しい。ロマンチックで甘美。
静かで、それでいて激しく、どこまでも無限に広がる音空間。
カレイドスコープ。
空から地球を眺めてるような(やや誇張してますか)。
でも、少しだけ「宇宙」な気分に浸れる8分です。

ところで、このところ「今夜は、なんとか流星群」という言葉をよく耳にしますね。
でも、夜空を見つめていてもなかなか見つかりません。
みなさんのところでは、見えますか?、流星群。
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