FC2ブログ
プロフィール

ポタリング

Author:ポタリング
少し古い70年代頃のロック中心のブログです。
リンクフリーです。

ありがとうございます
最新トラックバック

ブライアン・イーノ 「アナザー・デイ・オン・アース」

eno earth
「アナザー・デイ・オン・アース」 2005年リリース

ソロとしては77年の「ビフォア・アンド・アフター・サイエンス」以来、28年ぶりの「歌ものアルバム」ということで当時話題に。CDの帯には「全世界が待ち望んでいた一枚」と、これは少々盛りすぎかと。
しかしまあ、このジャケットはなかなかの味わいと思います。この日常の風景はイーノが撮影したようで、日本でも下町の気のいい店主の声が聞こえてくるようなお店はどこもこんなあたたかい灯りがありましたね。

全11曲(日本盤はボーナス+1曲)。冒頭、ポップで親しみやすい「this」でいい感じにスーッとはじまる。「歌もの」といってもアンビエントに歌詞を付けたような実験的な曲も多く、少々面白味に欠ける曲もあったりしますが、7曲目に美しいバイオリンが聴ける「how many worlds」というイーノにしては驚くほどストレートで素直な曲も出てくる。

イーノの意向で歌詞の記載はありませんが、その昔イーノは「歌詞は言葉の意味よりも、音の響きとして言葉を選ぶ」なんて言ってたくらいだから、聴き手がどう解釈しようがどうぞご自由にというところかもしれません。
「お手伝い」という名目でロバート・フリップ、アニー・レノックス、ロバート・ワイアット夫妻らの名があります。
熱帯夜にも意外に似合う1枚かなと思います。

金延幸子 『み空』

み空 (1)
金延幸子 『み空』 1972年リリース

シンガーソングライター金延幸子さん幻の名盤。
過去に再発盤もあり、今はYouTubeにも全曲アップされているので、マボロシと言ってもいつでも聴くことが出来る。

金延さんの作風はよく言われるジョニミッチェルに似たセンス。曲によりニールヤング風。
プロデュースは細野さん。リリースは「風街ろまん」の翌年。
はっぴいえんど~ティンパン系らが必要な分だけ音色を添える。
いま手元にあるのは音源だけで、どの曲で誰が何をやっているのかよくわかりませんが、全11曲中、細野さんのアレンジが3曲と、大瀧さんが作曲で参上した「空はふきげん」があります。

アルバムからのシングルカットは「時にまかせて」。未聴ですがシングル盤は大瀧さんがプロデュースしたそう。
また、99年にリリースされたハリー&マックの『ロード・トゥ・ルイジアナ』のラストは「時にまかせて」のカバーで、いい余韻を残しました。

『み空』をはじめて聴いたのは90年代頃でした。その時は良さがわからないまま終わってしまったのですが、いまあらためて聴いてみるとしみじみといいなあと思っちゃって、「今ごろ愛聴盤」みたいなこの頃です。こうゆう感覚って実にいいかげんなものですね。

シンプルできれいな詞、金延幸子さん24歳のみずみずしい作品です。
♪鳩の飛び立つ中を 犬がかけてゆく 空は どこまでも 青い空…

ルベーン・ブラデス 「ブスカンド・アメリカ」

ruben blades (1)
ルベーン・ブラデス「ブスカンド・アメリカ」 1984年リリース

ラテンミュージック。
昨今「夏だ!サルサだ!」なんて誰も言わなくなりましたね。サルサは詳しくありませんが、そんな中でもよく聴いた1枚。パナマ出身ルベーンブラデスの傑作。

このアルバムは国内盤が未発売だったと思いますが、普段はロックしか聴かない洋楽ファンにもウケたアルバムでした。
ブラデスもワールドワイドな視野で制作したと思え、サルサに欠かせないホーンセクションがいない代わりにシンセを大幅導入。言葉はわからなくてもサウンドはわかりやすく、一瞬一瞬の切れ味がいい。

全7曲で、6曲はブラデス作。聴きごたえあり。
特にラストを飾るタイトルナンバー「ブスカンド・アメリカ」は感動的。ブスカンドアメリカは「アメリカを探して」という意味で8分を超える大曲。ずっとラテンパーカッションが鳴っていても、その歌心の中にどこか演歌に通底するような響きすら感じます。

ブラデスは音楽以外にも様々な顔を持っていて、この後政界にも進出、また俳優としても活躍。ユニークなところでは「プレデター2」に刑事役で出演していました。

スターバック 『Moonlight Feels Right & Rock'n'Roll Roket』

starbuck (1)
スターバック 『Moonlight Feels Right & Rock'n'Roll Roket』
2009年編集盤

街を歩くとミドリ色のコーヒー屋の看板が目に入ります。
あの「スターバックス」とこの「スターバック」は別物でありながら、マーメイドの看板を見ると決まってスターバックのやたら調子のいいスマッシュヒット「Moonlight Feels Right」がチラつきます。いちいち思い出す必要はまったく無いのですが、毎回思い出してしまうのでしょうがないことと思っています。

このアルバムは、70年代半ばの1stと2ndがまとめて楽しめるお得盤。
ジャンルでいうと南部のAORのようですが、いい意味で昭和のアイドル歌謡にも似たB級的なセンスをそこいら中に散りばめた感じがとても良く、そのあたりがブラックマン氏の巧妙な戦略だったのか素のままなのかは謎ですが、とても親しみやすいポップな仕上がりになってます。
この手のバンドには珍しくマリンバ(木琴)の使い手がいて、ここぞというところで見事なソロを披露してくれます。

とは言っても、結局のところスターバックは歌詞もチャラい「Moonlight Feels Right」1曲だけでしょ、という冷ややかな声も遠くに聞こえ、確かにおっしゃる通りと思いもしますが、それでも気が付くとアルバムを通して聴いてしまうという憎めないバンド。
「Moonlight Feels Right」は高橋幸宏がカバーしてましたが、もしも80年代に郷ひろみがカバーしていたら「ザ・ベストテン」の初登場3位くらいはイケたのでは、と思わせます。邦題は「恋のムーンライト」。

バリー・レイノルズ 「アイ・スケア・マイセルフ」

barry (1)
バリー・レイノルズ 「アイ・スケア・マイセルフ」1982年リリース

音楽をレコード盤で聴いていた時代、ロキシーミュージック、ボブマーリー、トラフィック、スパークス等々、それらレコードには「アイランドレコード」のロゴマークがあり、ターンテーブルの上では椰子の木がくるくると回った。
アイランド…、そのレーベル名は何かありそうな刺激的な響きがあった。

そんな中、当時音楽活動を再開したマリアンヌ・フェイスフルが、煙草をふかし、強い酒をガブ飲みしながら制作したと言われる『ブロークン・イングリッシュ』を聴いた。初っ端のタイトルナンバーが実にカッコいい音で、クレジットを見ると作者の中にバリー・レイノルズの名があった。
バリーはアイランド所属のコンパスポイント・オールスターズのギタリストでソングライター。マリアンヌと一緒に来日もしました。

このアルバムはそのバリー・レイノルズ唯一のソロ。
プロデュースはアレックス・サドキン、リズム隊はスライ&ロビー、録音はもちろんコンパスポイント。当時旬の音を作るのに申し分のない環境が全て揃ってる。

全10曲中8曲がオリジナル。AORにニューウェイブとレゲエの風味を加えた感じで、ちょっと聴くとロバートパーマーっぽい印象も。マリアンヌ・フェイスフルに提供した楽曲のセルフカバーも4曲あり。
アルバムのタイトル曲はダンヒックスのカバー。ダンヒックスはミュージシャンからの人気も高く、同時代にトーマスドルビーも同曲をカバーしていた。

とても80年代なサウンドですが、いま聴いても普通にいいと思える好盤で、この「ちょっと作ってみたんだけど」みたいな裏方さん的な作風が今は貴重な感じもします。

サディスティック・ミカ・バンド BBCライブ(YouTube)

mika band
サディスティック・ミカ・バンド BBCライブ(YouTubeより)

1975年、ミカバンドはロキシーミュージックのオープニングアクトとして全英ツアーに同行したことはよく知られている。
その時の模様は「Live in London」としてリリースされ、レコード盤がスリ切れるほどよく聴きました。

で、先日YouTubeサーフィンみたいなことをしていたら、当時ミカバンドがイギリスBBCの「OLD GREY WHISTLE TEST」という音楽番組に出演した時のスタジオライブを見つけて、地味に静かに狂喜乱舞してしまいました。
演奏は2曲で8分ほどですが、ミカバンドは映像で残されているものが少なく、これは貴重。メンバーは写真左から、今井裕、ミカ、高中正義、高橋ユキヒロ、後藤次利、加藤和彦。
資料によると、全英ツアーは75年10月2日から24日までの3週間。なので、ツアー開始から6日目のBBC出演と思われます。

曲はテクニカルなインスト「Wa-Kah!Chico(Time to Noodle)」とロンドンっ子にも大受け、ファンキーな「塀までひとっとび」。
「Wa-Kah!Chico」の中盤からポラロイドカメラを手にミカさん登場。
今見てもトノバンはユニークなバンドを作ったなあと、あらためて思います。こんな映像はずっと残してほしいですね。

MELON 「DO YOU LIKE JAPAN?」

melon (1)
MELON「DO YOU LIKE JAPAN?」 1982年リリース

プラスチックス解散後に中西俊夫さんとチカさんが作ったニューウェイブバンド「メロン」のデビュー盤。
このアルバムはリリース時にアナログ盤をよく聴きました。CD全盛になってからはずっと聴く機会がなかったのですが、最近再び何十年ぶりかで聴くことが出来、カッコいいなあと思いながらなつかしく聴いてます。

参加ミュージシャンは細野晴臣、高橋幸宏、土屋昌巳、そしてフレットレスベースの名手パーシー・ジョーンズ、ピアノにブルース・ブロディ。加えて当時交流のあったトーキングヘッズ周辺からバーニー・ウォーレル、スティーブン・スケルズ、ドレット・マクドナルド。
もう文句のつけようがないほど最先端。スネークマンショーの面々とも親交が深かった。

全9曲(ボーナストラック入りもあるみたいです)。アスファルトの都会をスキップしながら遊んでるようなポップな曲が印象的。特にベースとドラムは風通しが良くここちいい。「Honey Dew」のようなヒットしそうな要素が詰まった名曲も。
70年代の東京の風景は「はっぴいえんど」としたなら、80年代初頭の東京の空気感はあんがいこのアルバムがよく表しているなと今は思えます。

中西さんは亡くなってしまいましたが、デヴィッド・ボウイの最後の来日公演(2004年)を観に行った際に、同じ列のすぐそばに中西さんがいらっしゃったのを見かけました。その時のお洒落な雰囲気は今でもよく憶えています。
「DO YOU LIKE JAPAN?」は令和になっても使えそうなコピーですね。 

ハルモニア&イーノ'76 『トラックス・アンド・トレイシズ』

HE (1)
ハルモニア&イーノ'76 『トラックス・アンド・トレイシズ』 
長くお蔵入りだった音源で、97年に初CD化、2009年に未発表音源(3曲)を加えて再発。

ジャーマンエレクトロバンド、ハルモニアとイーノのコラボ。
ハルモニアは二人組のエレクトロバンド(クラスター)にノイ!のミヒャエルローターが加入したバンド。そこに好奇心旺盛なイーノがやってきた。
音はだいたい想像通りで、牧歌的で浮遊感あるミニマルなサウンドスケープが展開される。

ジャッケットにあるように制作は1976年。76年というあたりが興味深く、イーノは二大傑作『Another Green World』と『Before and After Science』の間、77年のデヴィッドボウイ『LOW』のキーパーソンとしての参加もたぶん決まっていた頃。

アルバムは全12曲、歌はほんの少々。ほとんど即興的に作業を進めたらしい。実験音楽のような素材を集めた感じの曲がぞろぞろ。途中眠くなりそうなところもありますが、そこを通り過ぎるとまた別の風景が現れるような64分。

2年ほど前にイギリスの大手新聞ガーディアン誌で、「イーノのベストソングTOP10」というユニークな記事が掲載された。
イーノの楽曲から10曲選ぶなんてさして重要ではないことと承知の上で、かつ選者の気分次第とも思えますが、これがなかなか個性的なベスト10で、そこでこのアルバム冒頭の「Welcome」が何故か選ばれてました。
検索フォーム
カテゴリ
QRコード
QR