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ポタリング

Author:ポタリング
少し古い70年代頃のロック中心のブログです。
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トーキング・ヘッズ 「フィア・オブ・ミュージック」

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トーキング・ヘッズ「フィア・オブ・ミュージック」 1979年。

ヘッズのアルバムはどれも好きでよく聴きました。
これは35年前のクールな3作目。
ヘッズの中でも実験色が強く、次作「リメイン・イン・ライト」の設計図みたいなラフな曲が多い。

一曲目のアフロビート「I Zimbra」が何かと語られるけど、フェードインで始まる「Cities」の疾走感や、「Air」から「Heaven」へ繋がる悲しげでメロディアスな流れは何度聴いても魅力的。
バンド結成時、楽器の経験がほとんど無いティナにベースの手解きをしたのはデヴィッドらしいけど、このアルバムでもティナのベースは個性的でカッコいい。

▼ティナ・ウェイマス
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    ☆    ☆    ☆    ☆

ところで、かなり遠回りした些細な話なんですが、
村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』を今頃になってやっと読みました。
1988年に出版された長編小説です。
この中でユキという名のロック好きの不思議な少女が登場する。
終盤にこんな描写がありました。

…ユキは(車の)窓枠に頬杖をついて、トーキングヘッズを聴きながら外の景色を眺めていた。

この車中で聴いているのが「フィア・オブ・ミュージック」。
この辺り、頭の中でヘッズを鳴らしながら読みました。何を今さら的な感想ですけど、小説の世界にヘッズがシンクロしてとても面白かった。

    ☆    ☆    ☆    ☆

それと、これも少し逸れた話ですが、
昨年ピーター・バラカンの『ラジオのこちら側で』というラジオへの愛情がいっぱい詰まったエッセイを読みました。

この中で9.11直後のアメリカ国内に於けるラジオ各局の対応について触れていて、当時、放送禁止(自粛)になった曲が158曲ほどもリストアップされたそうです。
ネット上にもリストがあるかと思いますが、例えば「A Day in the Life」、「Imagine」、「Blowin' in the Wind」等々がこれに該当したそう。
アメリカ国内での自主規制なんだけど、では、こんな時に何をかけたらいいんだろうか、と。
そんな中、ピーターさんが自身の番組の冒頭一発目にかけたのが、このアルバムの「Life During Wartime」だったそうです。
戦時下の生活というタイトルです。

ヘッズは91年に解散しましたが、今もなお息衝く感覚が残ってますね。
大きい音で聴くと良いです。

オールディーズ・コレクション(ベスト80)

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オールディーズ・コレクション(ベスト80) 2005年リリース。

こんな詰めの甘そうな企画モノってのは何処のどなたが買うんでしょう、なんて思いながら買っちゃった。
いつもの中古盤、スタバでコーヒー飲むより安かったですよ。
見かけによらずなかなかクリアな音質です。

3枚組の80曲、全部聴くのに4時間がかり。
この80曲をすべて知っている人は相当な洋楽マニア、ってことは全然なくて誰でも知ってる聴き馴染んだ曲ばっかしです。

でもこれ、エルヴィスもロイ・オービソンも出る幕がありません。
でもって、オールディーズファンが納得しないような曲が入ってますね。
カーペンターズが9曲も入ってるんですよ。
加えて、ステッペン・ウルフ(ワイルドで行こう)、KC&ザ・サンシャインバンド(ザッツ・ザ・ウェイ)、サンタナ(君に捧げるサンバ)あたり、曲自体に文句ありませんけど、どうなんでしょう、よそ見しているとビーンボール投げてくるっていう強攻策。
でもまあ直球ド真ん中だけじゃ飽きますからね。70年代のラジオを聴いてるような選曲だから、そんな雰囲気をねらったのかも知れない。

嬉しい曲もいろいろと入ってますよ。
レスリー・ゴーア(涙のバースデーパーティー)、スキータ・デイヴィス(この世の果てまで)、ボビー・ヴィントン(ブルー・ベルベット)、トロッグス(ワイルドシング)・・・この辺は好きですね。カセットテープに録音してラジカセ(持ってませんけど)で流すともっと良さそうです。

「夜更けの音楽ファン、こんばんは、明方近くの音楽ファン、おはようございます、 GoGoGo&Goes On!」、
・・・糸居五郎さんの懐かしい名調子を思い出しました。

カン 「フューチャーデイズ」 

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カン「フューチャーデイズ」1973年リリース。
活動期間:1968-1979

70年代も終わる頃、ドイツにカンという名の摩訶不思議な音楽集団がいることを知った。全盛期のボーカルは日本人、横浜育ちのヒッピーってこともずいぶん奇妙な話に思えた。でもなかなか聴ける機会が無かった。
ラジオでもカンをオンエアする番組はほとんど無かったと思う。
今のように簡単に聴けない。でも、その分魅力は増した。

カンの最高傑作は「タゴ・マゴ」であると誰かに聞いた。
「タゴマゴ・・」手に負えない怪物を想像してしまった。
そしてもう一つ傑作と言われていたのが「フューチャーデイズ」だった。
こちらはストレートなタイトルで抵抗がなかった。
なので、やっと聴いたはじめてのカンはフューチャーデイズ。
時代はニューウェーブ全盛の頃でした。

▼CAN(このバンドにリーダーは必要なかった)
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(左から)ヤキ・リーベツァイト、ホルガー・シューカイ、
ミヒャエル・カローリ、イルミン・シュミット、ダモ鈴木。

さて、「空気より軽い」とか「浮遊感」なんて言葉で表現されるフューチャーデイズ。
10分近いタイトルナンバーは自然音の中を一人で彷徨うかのように静かに始まる。淡々とした演奏は時折、和尚さんの講話にでもそっと耳を傾けているような気分にもなる。ミニマル、アンビエントと言えばそうかも知れないけど、かつて聴いたことの無い特異な音像であることは確か。
フューチャーデイズは遥か遠くを流れる雲の上から降りてきた。

後々のインタビューでホルガー・シューカイがこんなことを話してる。
『日本の文化では茶道にしても、準備に大変な時間を費やすよね。でもお茶自体はすぐに飲んでしまう。こうした時間の感覚は驚きだった。
私たちはなんとかそれを真似ようとしたのだよ、可笑しいだろ(笑)』。

城達也さんのジェット・ストリーム(東京FM)

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散文詩:堀内茂男
パイロット:城達也
機内BGM:フランク・プゥルセル楽団『ミスター・ロンリー』

     <オープニング>
遠い地平線が消えて
ふかぶかとした夜の闇に心を休める時
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は 
たゆみない宇宙の営みを告げています。

満天の星をいただく果てしない光の海を
ゆたかに流れゆく風に心を開けば
きらめく星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂(しじま)のなんと饒舌なことでしょうか。

光と影の境に消えていった
はるかな地平線も瞼に浮かんでまいります。

日本航空があなたにお送りする音楽の定期便「ジェットストリーム」
皆様の夜間飛行のお供をいたしますパイロットは私、城達也です。

     <エンディング>
夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは
遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと区別がつかなくなります。

お送りしておりますこの音楽が
美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように。


    ☆    ☆    ☆    ☆

ジェットストリームのナレーションは今もこれですね。
でも城達也さん時代のほんの一時期しか知りません。
1967年7月から94年12月まで、夜間飛行のパイロットを担当された城さん。今もあの声が懐かしくなります。

ところで、観光目的で海外に行けるようになったのは1964年4月からだそうです(海外旅行の自由化)。今年でちょうど50年。
当初は「年間1人1回まで」なんて変わったルールがあったそう。
もちろん手の届かない高額な旅費。海外旅行は夢のまた夢。
城さんは数えきれない夢を乗せて午前零時に離陸した。

多くの人に愛された城さんの声。
ほんの短い時間でも旅する気分になりました。
こんな旅に出てみたい、そんな方が今も多いことでしょう。
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