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ポタリング

Author:ポタリング
少し古い70年代頃のロック中心のブログです。
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ブライアン・イーノ 「Here Come the Warm Jets」

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ブライアン・イーノ 『Here Come the Warm Jets』 1973年

「コンサート会場に人を集めるのではなく、人が居る場所に音楽をもっていく」。環境音楽を創作し始めた頃、イーノはそんな風なことを言っていたと思う。
78年の『ミュージック・フォー・エアポート』は実際にニューヨークの空港でBGMとして使われた。
90年代にはマイクロソフト社「ウィンドウズ95」の起動音を作った。
イーノを知らない人も、生活の中でイーノの音を耳にするという面白い現象が起きた。

そんなイーノのファースト『Here Come the Warm Jets』。
環境音楽をやる前のケバケバしい25歳のイーノ。
ロキシー・ミュージック、キング・クリムゾンから気心知れた友人たちが総参加。クリス・スペディングもいますね。
全10曲、思いついたアイデアを未完成のまま演奏したような風変りな曲のオンパレード。

中盤に「On Some Faraway Beach」という「思えば遠く来たもんだ、此の先まだまだ何時までか…」みたいな曲が出てきます。
アナログ盤では「B面1曲目」に置かれた曲で、「ここらでいっぷく」みたいにも聴こえるし、ブライアン・ウィルソンがリハビリ中に作ったデモのようにも聴こえる。記憶に残る曲。

以前、無人島にレコードを1枚持っていくとしたらどれにする?、という「無人島レコード」という本がありましたが、その中で、あがた森魚さんがこのアルバムを挙げていたのがとても象徴的でした。

「無人島を見つけた、明日渡ってみよう。」
…好奇心旺盛なイーノの面白さはあんがいその辺に潜んでいるのかも知れませんね。

レス・バクスター 「BAXTER’S BEST」

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レス・バクスター 「BAXTER’S BEST」
録音:1951年~61年。

普段、CDは中古を買うことが多いんですが、それは中古を扱う店の方が品揃えがユニークで見ていて飽きないからです。
まあ、安価なヤツばっかり漁ってますが。
そんな中から最近の釣果はレス・バクスターです。
でも今ここでバクスターを買う頑固たる理由なんか何もありません。
「せっかく来たんだから何か買って帰ろ…」というどっちでもいい的な理由しかないのです。

ところで、CDショップで熱心に物色してる御同輩を見ると、意味も無くホッとしたりします。
でもCDケースの小さい背表紙を長時間眺めるのは疲れますね。LPみたいにパタパタやることもありますが、なにやら棚卸しでもやってるような気分になってきます。虫メガネを用意しているショップもありますが、これはこれで「クルーゾー警部」の登場シーンを思い浮かべてしまうのです…。
話が逸れました・・・。

さて、このアルバムはさすがベスト盤(全16曲)と謳うだけあって、どこかで聴いたナツメロ的なやつがたくさん出てきます。
ブレイヴ・コンボも演っていた「哀れなパリッ子」で軽やかにはじまります。
もちろん「Quiet Village」も「Wake The Town And Tell The People」(コレ好きな曲です)もあります。
「Unchained Melody」まで出てきましたよ。これは大ヒット映画「ゴースト」で効果的に挿入されたライチャス・ブラザーズが有名ですが、バクスターの控えめなアレンジもなかなかですよ。

バクスターはもっといいアルバムが他にも色々とあるんでしょうけど、これはこれでいい買い物だったと満足しております。
でも、たまには最近の流行歌も聴かなアカンかなと、少し思うこの頃です。

ホーギー・カーマイケル 「スターダスト・ロード」

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ホーギー・カーマイケル(1899-1981年)
「スターダスト・ロード」、2003年リリース。

秋の足音は「スターダスト」とともに…、かなりベタですね。
「スターダスト」を知らない人はいないだろうけど、1927年にホーギーが作曲して、1929年にミッチェル・パリッシュが詞をつけたそう。以後は数々のシンガーに歌い継がれて現在も広く親しまれてますね。
個人的には、78年にウィリー・ネルソンが歌った「スターダスト」をよく聴きました。

さて、そんなホーギーのこのアルバムはデッカ時代の10インチ盤(25センチLP)をCD化したという、趣のある音源です。
収録時間は21分ととても短いのですが、オリジナルにこだわって余計なものを加えなかったのがかえっていい味になっています。

収録曲(録音年)
 1. ホンコン・ブルース(1942)
 2. スターダスト(1942)
 3. ロッキン・チェア(1947)
 4. リヴァーボート・シャッフル(1947)
 5. ジ・オールド・ミュージック・マスター(1942)
 6. ジュディー(1942)
 7. ウォッシュボード・ブルース(1939)
 8. リトル・オールド・レディ(1939)

マーティン・デニーやハリー細野のカバーでもお馴染み、エキゾチックな「香港ブルース」ではじまります。
どの曲もピアノを前に「一曲演ろうか」てな雰囲気で軽く歌ってます。
得意の口笛ももちろん、70年以上前の録音とは思えないくらいノイズは少ないです。

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▲俳優としても活躍したホーギー。くわえ煙草が似合う。

・・・見えなくても、いつだって空は星でいっぱいです。

アート・ペッパー 「サーフ・ライド」

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 のってけ のってけ のってけ サーフィン
  波に 波に 波に のれのれ♪

・・・ゴールデン・ハーフで「太陽の彼方」でした。
いや、つい、ジャケットを見てはしゃいでしまいました。

さて、ジャズ方面はあまり知らないんですが、たまにはJAZZ。
天才と言われたウエストコースト出身のアルトサックス奏者、アート・ペッパー(1925-1982)です。

薬物ジャンキーでしょうもない時期もあったそうなペッパーだけど、77年にカル・ジェイダーのゲストプレイヤーとして初来日もしてる。入国審査もヒヤヒヤ。遂にステージに登場した際は、思いもよらない怒濤の拍手で迎えられて本人も客席の奥様も大感激だったとか。

そんなペッパーの初期の名演が楽しめる「サーフ・ライド」。
録音は1952年、当時まだ20代のペッパー。
趣味がいいとは言い難いジャケットも……好みです。
どこかでポスターでも売ってたら、小躍りして買ってしまいそうです。

「サーフ・ライド」というタイトルは、当時活動の拠点だったハリウッドのクラブ名にちなんだそう。なのでビーチ・ボーイズのようなサーフ・ミュージックとは無関係。ホンマもんのジャズです。
でも、どの曲も3分前後と短くて、いい波にスーッと乗ってサーッと引き上げる感じはサーフ・ライドそのものかも知れない。
明るめの曲が多いです。

余談ですが、
村上春樹がインタビューで、「リズム、ハーモニー、インプロヴィゼーション」の三つをジャズから学んで小説に応用したって言ってました。
『ねじまき鳥クロニクル』を読まれた方はご存知かもしれませんが、「サーフ・ライド」には小説の登場人物と同名の曲があります。
Nutmeg ナツメグ』、そして『Cinnamon シナモン』。
ペッパーのスパイスは、時を超えてあちらこちらに降りかかっているようです。


<追記>
「登場人物と同名の曲」と書きましたが、村上春樹さんはこのアルバムの曲名から登場人物の名前を思い付いたわけではなく、まったくの偶然だったことがわかりました。ただ村上さんもこのアルバムは大好きだそうです。
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